やせいのへや

野生の生き物が好きでデジカメで撮ったりしています。特に昆虫が好きです。🐜

【読書感想】身近な鳥の生活図鑑

超身近な鳥の生態が丸わかり!

バードウォッチング初心者必見の一冊です。

【内容】

 ①鳥にとって町とは?

人が住む都市部は一見すると鳥が生きるにはあまり良い場所とは思えません。

しかし町中では1年を通して50種くらいの鳥が見られるといいます。

多くのバードウォッチャーは町の鳥に興味を示しません、しかし筆者は町中でのバードウォッッチングに4つの利点を挙げています。

1.手間暇がかからない。

2.町中の環境に適応して生きる鳥を観察することで、町という環境を見直す機会になる。

3.自然の中で生きる鳥とは違った生態を観察できる。

4.文化との係わりという視点で鳥を観察できる。

都市部は鳥にとって安定した環境だといいます。

まず天敵になる生き物がほとんどいませんし冬は山に比べてだいぶ暖かいでしょう、水は豊富にあります。しかし自然は少ないので森や藪などは無く、巣を作れる場所は限られています。

何より人間が多いので警戒心が強い鳥にとっては落ち着いていられる場所ではありません。

②町で見られる鳥

この本ではスズメ、カラス、ハトが主に取り上げられて生態やなどについて書かれています。

スズメでは20年間で数が半減している!という話。しかし日本中のスズメの数を把握するなんてことは困難なのでかなり大ざっぱな統計らしい。

身近なカラスには2種類いるという話。その2種の見分け方や生態の違い。

どこにでも見られるドバトの起源、そして特有のピジョンミルクによる子育て方法などなど本の半分以上はこの3種についての話になっています。

③鳥と人との関係

日常的な鳥との関わりは意外とあるものです。

例えば鳥への餌やりに関する問題、餌が少なくなる冬には鳥が生き残りやすくなるという利点がある反面、与える餌によっては鳥を不健康にしたり環境汚染を起こしたりなどといった欠点も多くあります。

他にも鳥の巣の撤去の問題、スズメを捕まえてもいいのかなど、人と鳥との取るべき距離感についてが書かれています。

 

【感想】

本当に身近な鳥にだけスポットを当ててまとめられている一冊といった感じ。

カラスやハトにも意外と知らないことが多いのだと実感した。

鳥の知識が全くないという人ほどこの本から得られるものが大きいと思う。

読了後には通勤途中や散歩中に見られる鳥を見るのを楽しめるようになっているでしょう。

 

【おすすめ】

・鳥の知識はないけど少しでも鳥について知りたい方

・身近なスズメやハトがどのように暮らしているのか疑問に思う方

・通勤時やちょっと外出した時にバードウォッチングを楽しみたい方

 

身近な鳥の生活図鑑 (ちくま新書)

身近な鳥の生活図鑑 (ちくま新書)