【読書感想】植物はすごい
知られざる植物たちの超能力!!
植物ってすごい!って思いました。
【内容】
①自分の身は自分で守る
植物が自分の身を守る手段はいくつもあります。
例えばトゲを生やすというのも一つの手段です。アフリカには「ライオンゴロシ」という植物があるそうで口の中に刺さったトゲが抜けなくなり、ライオンを餓死させてしまったことからその名前が付いたという恐ろしい植物。
他にも味も植物の身を守るために働く。
苦みや渋み、酸みをもつことで動物はこの植物を食べなくなる。
②恐ろしい毒
一番植物の身を守るということをイメージしやすいのは毒だろう。
毒を持つ植物は珍しくなくて普通に生えているものに実は毒があったりする。
アジサイもその一つで、なんと青酸カリに含まれるのと同じ物質が含まれるというから驚きだ。
ジャガイモは人間に栽培されているので毒は必要ないのだが芽にソラニンという毒を持っているのは自然の中を生き抜いてきた名残だそう。
③逆境を生き抜く術
光合成ができる植物にとっても太陽の光は強すぎるらしい。晴天の昼間の太陽の光の強さは約10万ルクス、多くの植物が光合成に使える太陽光は2.5万~3万ルクスという、つまり3分の2の余計な太陽光は容赦なく植物に照りつけ有害な活性酸素を体の中に作り出す。その活性酸素を消し去るためにビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質を生み出す仕組みを発達させたらしい。
他にも暑さ、寒さをしのぐ方法や虫を食べる植物など様々な特殊能力が満載。
【感想】
植物は自由に動くことができない分とにかく独自に化学物質を生み出し環境に適応して来たのだと実感した。
その証拠に植物の毒にはオリジナルの名前が付いているものが多い。
筆者の田中修さんはNHKのラジオ番組、子ども科学電話相談の植物部門の担当として面白い解説をたくさん聞いていたので期待はしていたが、それ以上の内容だったと思う。
【おすすめ】
・植物の生態や能力を知りたい方
・夏休みの自由研究課題を探している学生
・毒や化学物質について興味がある方
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