やせいのへや

野生の生き物が好きでデジカメで撮ったりしています。特に昆虫が好きです。🐜

【読書感想】100円のコーラを1000円で売る方法

マーケティングを物語形式で学べる!

オリジナルの価値を生み出す!

【内容】

 ①顧客絶対主義の落とし穴

顧客満足度は顧客が商品またはサービスを受けて感じた価値から事前に期待していた価値を引いたものだといいます。

 

顧客満足=顧客が感じた価値-事前期待値

 

 主人公の久美は会計システムの提案説明会で顧客の要望に100%応えることと大胆な割引率を武器にプレゼンを実施します。

しかし自分の商品よりも高値で商品を提案している他社に負けてしまいます。

久美の提案した価値は顧客が期待している100の価値を100で提供することです。

しかし、もう一方の他社が提案したのは全て要望通りに応えるのではなく、顧客が気づいていない問題点や解決策などを提供しました。

100の要望に対して別の10や20を作り出して提供したのです。

 

②バリューポジション

バリューポジション=顧客が望み、他社が提供できない自社が提供できる価値。

他社と同じことをしていると商品やサービスが差別化できず、最終的には際限ない価格競争に突入してしまうことになる。

物語の中では電器屋を例に解説され、町の小さな電器屋には価格や品揃えよりも複雑な電子機器接続などのサポートに価値を見出すシニア層に支持されている。

家電量販店のニーズ→豊富な品揃え、低価格

町の電器屋のニーズ→地域に密着したサポート

このように自社の価値がどこにあるかを整理することでバリューポジションを確立させることができる。

③バリューセリング

ディスカウントストアでは100円で売られているコーラ、同じ商品はどこでも売られているので企業はできるだけコストを削減して安く売る。

この手法は「プロダクトセリング」、この場合規模の大きい会社ほど大量に仕入れることで原価を安くできるので有利となる。

「バリューセリング」ではコストの削減ではなくサービスの向上という方法で商品の価値を上げる。

例 高級ホテルリッツカールトンのコーラ

  ディカウントストアと全く同じコーラだが部屋でルームサービスに電話すると15分ほどで最適な温度に冷やされ、ライムと氷が付いたこの上なく美味しい状態でシルバーの盆に乗ったコーラが運ばれてくる。

これは最高の環境で美味しいコーラが飲めるという体験を売っているということ。

つまり価格を下げるのではなく価値を上げるという手法であり、これが大多数の企業が行うべき戦略えあるという。

【感想】

ストーリ―を読み進めながらマーケティングの基礎を学べるのが良いと思った。

実際の事例を多く取り上げて解説してくれるので理解がし易かった。

結局、価格で勝負できるのはそのジャンルのトップ企業だけなのでそれ以外の企業はオリジナルの魅力で価値を提供していかなければいけないのだということが分かった。

【おすすめ】

マーケティング初心者の方

・社会について興味を持っている学生

・単純に題名が気になった方

【読書感想】鳥ってすごい!

体の仕組みに生態、知能など、

とにかく鳥の驚きの能力が盛りだくさん!

 

【内容】

  ①鳥の飛行術

鳥の能力と言ったらなんといっても空を飛ぶこと。

速めの鳥では時速50~60kmだというがハリオアマツバメは羽ばたき飛行で時速130kmにもなる。

陸上動物最速で時速110~120kmで走るチーターよりも速い。

逆に最も遅く飛ぶアメリカヤマシギは時速8kmを記録しているらしい。

そんな遅く飛ぶ様子がむしろ想像できないが...

他にも様々な翼の形についてや何日間も休まずに飛び続ける鳥についてなど

 ②鳥のおしゃれ

鳥には赤や白、黄色など単色のものから複数のものと本当に多くの色がある。

日本でも見られるヤイロチョウという鳥は漢字で八色鳥と書く通り、色とりどりのカラフルな体色をもつ。

なぜこんなに多くの色や模様を持つようになったか、求愛行動に使う飾り羽についてなど

 ③渡りの謎   

鳥は飛ぶことを活かして海を渡って長距離の移動をする。

鳥がどのようなルートで渡りを行うかなど、今まで分からなかったことが最近の科学技術によって解明されてきた。

渡りの追跡方法についてはいくつかあり、足環や首環を用いた標識法、衛星追

跡法、光のセンサーを利用し日出・日没の時間を記録するジオロケータを装着する方法など様々である。

キョクアジサシは北極圏で繁殖して南極圏で越冬する極端な渡りを行う。

その生涯で移動する距離は地球と月の間を2往復するほどだという。

そもそも何を頼りになぜ渡るのか、経路は毎年決まっているのかなど必ず頭をよぎる疑問についての答えが詳しく解説される。

 

【感想】

鳥の形態の仕組み、驚異の生態、身体能力などを知るほど鳥がなぜ現代の地球にここまで繁栄しているのかが理解できるようになった。

また、内容には載せていないカッコウの托卵いついてやカラスなどが遊ぶということについてなど面白い話がたくさんあってどれも人に話したくなる。

内容の深さに対して文章には専門的な言葉はほとんど出てこないので初心者でもかなり読みやすいと思う。

 

【おすすめ】

  ・鳥の生態に興味がある方。

  ・バードウォッチングが好きな方。

  ・小鳥を飼育している方。

 

鳥ってすごい! (ヤマケイ新書)

鳥ってすごい! (ヤマケイ新書)

 

 

【読書感想】植物はすごい

知られざる植物たちの超能力!!

植物ってすごい!って思いました。

【内容】

①自分の身は自分で守る

  植物が自分の身を守る手段はいくつもあります。

  例えばトゲを生やすというのも一つの手段です。アフリカには「ライオンゴロシ」という植物があるそうで口の中に刺さったトゲが抜けなくなり、ライオンを餓死させてしまったことからその名前が付いたという恐ろしい植物。

他にも味も植物の身を守るために働く。

苦みや渋み、酸みをもつことで動物はこの植物を食べなくなる。

 

②恐ろしい毒

一番植物の身を守るということをイメージしやすいのは毒だろう。

毒を持つ植物は珍しくなくて普通に生えているものに実は毒があったりする。

アジサイもその一つで、なんと青酸カリに含まれるのと同じ物質が含まれるというから驚きだ。

ジャガイモは人間に栽培されているので毒は必要ないのだが芽にソラニンという毒を持っているのは自然の中を生き抜いてきた名残だそう。

③逆境を生き抜く術 

光合成ができる植物にとっても太陽の光は強すぎるらしい。晴天の昼間の太陽の光の強さは約10万ルクス、多くの植物が光合成に使える太陽光は2.5万~3万ルクスという、つまり3分の2の余計な太陽光は容赦なく植物に照りつけ有害な活性酸素を体の中に作り出す。その活性酸素を消し去るためにビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質を生み出す仕組みを発達させたらしい。

他にも暑さ、寒さをしのぐ方法や虫を食べる植物など様々な特殊能力が満載。

 

【感想】

植物は自由に動くことができない分とにかく独自に化学物質を生み出し環境に適応して来たのだと実感した。

その証拠に植物の毒にはオリジナルの名前が付いているものが多い。

筆者の田中修さんはNHKのラジオ番組、子ども科学電話相談の植物部門の担当として面白い解説をたくさん聞いていたので期待はしていたが、それ以上の内容だったと思う。

  

【おすすめ】

  ・植物の生態や能力を知りたい方

  ・夏休みの自由研究課題を探している学生

  ・毒や化学物質について興味がある方

 

植物はすごい - 生き残りをかけたしくみと工夫 (中公新書)

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【読書感想】身近な鳥の生活図鑑

超身近な鳥の生態が丸わかり!

バードウォッチング初心者必見の一冊です。

【内容】

 ①鳥にとって町とは?

人が住む都市部は一見すると鳥が生きるにはあまり良い場所とは思えません。

しかし町中では1年を通して50種くらいの鳥が見られるといいます。

多くのバードウォッチャーは町の鳥に興味を示しません、しかし筆者は町中でのバードウォッッチングに4つの利点を挙げています。

1.手間暇がかからない。

2.町中の環境に適応して生きる鳥を観察することで、町という環境を見直す機会になる。

3.自然の中で生きる鳥とは違った生態を観察できる。

4.文化との係わりという視点で鳥を観察できる。

都市部は鳥にとって安定した環境だといいます。

まず天敵になる生き物がほとんどいませんし冬は山に比べてだいぶ暖かいでしょう、水は豊富にあります。しかし自然は少ないので森や藪などは無く、巣を作れる場所は限られています。

何より人間が多いので警戒心が強い鳥にとっては落ち着いていられる場所ではありません。

②町で見られる鳥

この本ではスズメ、カラス、ハトが主に取り上げられて生態やなどについて書かれています。

スズメでは20年間で数が半減している!という話。しかし日本中のスズメの数を把握するなんてことは困難なのでかなり大ざっぱな統計らしい。

身近なカラスには2種類いるという話。その2種の見分け方や生態の違い。

どこにでも見られるドバトの起源、そして特有のピジョンミルクによる子育て方法などなど本の半分以上はこの3種についての話になっています。

③鳥と人との関係

日常的な鳥との関わりは意外とあるものです。

例えば鳥への餌やりに関する問題、餌が少なくなる冬には鳥が生き残りやすくなるという利点がある反面、与える餌によっては鳥を不健康にしたり環境汚染を起こしたりなどといった欠点も多くあります。

他にも鳥の巣の撤去の問題、スズメを捕まえてもいいのかなど、人と鳥との取るべき距離感についてが書かれています。

 

【感想】

本当に身近な鳥にだけスポットを当ててまとめられている一冊といった感じ。

カラスやハトにも意外と知らないことが多いのだと実感した。

鳥の知識が全くないという人ほどこの本から得られるものが大きいと思う。

読了後には通勤途中や散歩中に見られる鳥を見るのを楽しめるようになっているでしょう。

 

【おすすめ】

・鳥の知識はないけど少しでも鳥について知りたい方

・身近なスズメやハトがどのように暮らしているのか疑問に思う方

・通勤時やちょっと外出した時にバードウォッチングを楽しみたい方

 

身近な鳥の生活図鑑 (ちくま新書)

身近な鳥の生活図鑑 (ちくま新書)

 

 

【読書感想】面白くて眠れなくなる生物学

 

 

ずっと読みたかった「面白くて眠れなくなる」シリーズ。

数学、物理、科学、人体など色々あったけど一冊目は生物学にしました!

【内容】

①生物は合理的にふるまう

生物が地球に誕生してからどのようなメカニズムで進化を繰り返し、現在の姿に至って来たのかを分かりやすく書いてあります。

進化が起こる3つの条件

   ・遺伝 ・変異 ・選択

これを満たすためにDNAが不可欠である。

高校の頃、授業でよく分からなかったDNAや遺伝子の話がすんなり頭に入ってきます。

②誰かに話したくなる生物のはなし

ハチやアリがなぜ協力しあって社会性をもって生活しているのか、考えてみるとおかしな話です。生き物の一番の目的は自分の遺伝子を後世に残すことなのに一生働 き続ける働きバチ働きアリたち、しかしそれにも理由がありました!

実は協力し会うことで大きなメリットが働く虫たちにもあったんです。

③面白くて眠れなくなる生物学

鬱という症状が人間だけでなくザリガニやミツバチなどにもみられるらしい。

ほかのオスとケンカで負けたオスはしばらく戦う意欲を無くし、抗鬱剤を与えると再び戦うようになるという。

また、魚が泳ぐ川に抗鬱剤の成分が流れると魚が大胆になり捕食者に食べられやすくなるという話まで...つまり鬱になり消極的になることで生存率が上がることもあるということから鬱という症状にも意義があり現在もその仕組みが残っているということですね。 

他にもオスとメスがなぜ生き物に存在しているのかなど興味深い話がたくさんあります!

 

【感想】

内容としては高校の頃に習った生物学と本筋は一緒です。(特に前半)

しかしこの本では、なぜ生き物がそういった仕組みになっているのか、実際どのようにDNAなどが機能しているのかが、生物の進化というものをベースに解説されるので納得しながら読むことができました。

授業では生物は暗記の学問であるというようなイメージを持たれがちですが、この本を読むことで理解が深まり生物学の見方が変わるでしょう。

ただ、第一章からDNAや遺伝子、染色体などの話になるので中学生以下の子どもには少し難しいかも。

 

【おすすめ】

・高校の生物が理解できない、苦手だという学生。

・生き物が好きで進化や遺伝について基本的なことを知りたい大人

・生き物の原則を知りたい方

 

面白くて眠れなくなる生物学

面白くて眠れなくなる生物学